ふらのわ会 前島です。
私は「布良(ふら)」という製品名の、無農薬有機栽培で育てたコットンでできた布と、最近ではさらに付加価値をつけたマリムーンという製品について、各地を回ってお話をしながら、普及活動をしています。
ただ単にこの製品を使っていただくだけでなく、「布良」の持つ意味を分かって使っていただくと、また別のことが見えてきます。
私たちが普段、五感で感じること以上の、より深い何かを感じられるようになってきます。
『布良のひみつ』では、そういったお話をしていきたいと思います。
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置換するということ
私が勉強した発酵という現象は、微生物が作り出す酵素によって起こるものです。
そして、私たちは、その酵素を利用してエネルギーの充電をします。
では、エネルギーは何をするために必要なのかといいますと、「置換」するためなのです。
「置換」とは置き換えること、または交換と言ってもよいでしょう。
納豆だとか漬物とか、発酵食品は長持ちします。
なぜ長持ちするのかわかりますか?
それは「置換」をしているからです。
牛を例にだして考えてみます。
牛はとにかく巨体です。
牛を解体するとわかりますが、表面は毛だらけだし、中は肉と内臓と太い骨だらけです。
さらに乳牛は毎日、乳を体内で作っています。
そんな大きな牛は何を食べていますか?
そうです。草、水、わら、だけです。
人間のように他の動物の肉なんか食べません。
では、なぜあんなに大きな身体になって、カルシウムたっぷりの乳を出すことができるのでしょうか?
それは牛の消化器、つまり胃や腸に秘密があります。
牛は4つの胃を持っています。
それぞれの役目があるわけですが、主な役割は草などのエサを発酵・分解し、栄養素として利用できる形に変えることです。
つまり「置換」です。
消化されたエサはさらに腸の中で発酵して骨や肉など身体に必要な栄養素に変わるのです。
これも「置換」です。
原料は草です。それが肉になりカルシウムになる。
なんだか手品みたいでしょう。
人間でもベジタリアンの方がいらっしゃいます。
ベジタリアンの方は、肉とか魚などのタンパク質を食べません。
でも、体の中で、なんでも作ってしまうから生きていられます。
これが「置換」なのです。
この置き換えは有機物ですから高分子の化合物でできています。
分子は何からできているかというと原子からできています。
普通、ある物質を置換しようとするととてつもないエネルギーが必要です。
ダイオキシンなどは何千度という熱で熱せられて初めてできます。
でも体内での置換は、常温でやってのけるのです。
置換をするにはエネルギーが必要になります。
例えば、骨粗しょう症の患者さんが、お薬をいっぱいもらって飲んだけれども、ちっとも良くならない。
カルシウムのサプリメントをいっぱい飲んだけどちっとも良くならない。
煮干をいっぱい食べたけれども、一向に良くならない。
骨の元になるものをいくらカラダに入れても、ちっともよくならないという話も聞きます。
ただ『身体に物質を入れれば、すぐに骨になる』ということではないのです。
私の言う「置換」とは、有害なものを無害なものに、有害なものを有益なものに置き換えることをいいます。
自然のものはすべて有益なものに自然と置き換えられます(土に還るなど)。
しかし人工的なもので有害なものは、有益なものには変えられません。
ただし、無害なものに中和することはできます。
人工物は有益にはできないのです。
これが自然界のつくったものと人間のつくった人工物との違いです。
地球が誕生した時は、とても生き物の住めるような状態ではなかったと言われています。
劣悪の環境です。空気なんかありません。
溶岩と亜硫酸ガスだらけです。
そんな状態の中でも生きられるものが湧いて出てきました。
それが菌です。微生物です。
この微生物が暗躍して何億年もかけて、地球環境を有益な状態にしていったのです。
太陽系の中で、青い色をもつ惑星は地球だけです。
宇宙はエントロピーの法則です。
でも地球はエコロジーです。
これは微生物のおかげなのです。
人間もそうです。
ここをしっかりやると、生命エネルギーがどんどんはいってきます。
そういった暮らしにつながってきます。